生物群集を記載する時に重要なのは、まずは種数(=種の豊かさ species richness)でしょう。10種からなる群集A、同じく10種からなる群集B、そして5種からなる群集Cを比較するとき、群集Cより群集AとBの方が種多様性が高いと言う場合があります。 しかし同じ10種の群集AとBでも、実際は各種の個体数の割合が異なることがよくあります。例えば、群集Aには10種すべてが10個体ずつ含まれるのに対し、群集Bでは1種が91個体で残りの9種が1個体ずつ含まれる時、同じ10種100個体の群集でも種多様性が同じといえるでしょうか。 図. 種数は同じだが個体数の割合が異なる2つの群集 このような群集内の各種個体数の等しさを均等度(または均衡度 evenness)と呼んでいます。この均等度も種多様性をはかる上で良い物差しとなっています。 さて、農業害虫の個体数を抑えるのに、特定の天敵を放して増やす生