生物の生息環境のこと。ギリシャ語の「bios(生)」と「topos(場)」の合成から生まれたドイツ語の単語「Biotop」に由来し、英語でも「biotope」という同系統の単語が広く用いられている。生物学における「ビオトープ」の概念は、動物地理学者フリードリヒ・ダールの論文「生物群集研究の諸原則と基本概念」(1908)および著書『生態学的動物地理学の基礎』(1921/23)に由来する(「ビオトープ」概念がドイツの生物学者E・ヘッケルの『有機体の一般形態学』[1866]に起源を有するという説が一般に流布しているが、これは2008年の佐藤恵子[東海大学教授、生物学史]の論文によって否定されている)。多くの動植物が共存する複雑な環境の総体を指すのがいわゆる「生態系(ecosystem)」だとすれば、「ビオトープ」とはある生物が持続的に生息できる最小単位に相当するものであると言えよう。ここから転じ
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