象徴のこと。最も一般的な定義を与えるならば、「シンボル」は「記号(sign)」の一種である。しかしそこに含まれる意味内容は、時代や文化によってかなりの振れ幅がある。そこで以下では、その代表的な議論のみを挙げることにする。(1)第一に、シンボルはC・リーパによって体系化された西洋の図像学における重要な要素である。たとえば鷲によってゼウスを、梟(フクロウ)によってアテナを表現する手法は「アトリビュート(属性)」と呼ばれるが、これは図像としてのシンボルの典型的な使用例である。また、国家や王家を国旗や紋章によって代理表象することも、同じく図像としてのシンボルの用例に含まれる。(2)第二に、18世紀以降のドイツにおいて、シンボルは重要な哲学的概念として位置づけられる。例えばカントは、非感性的なものである理念を間接的な仕方で表示する像として「シンボル(独:Symbol)」を定義している。ドイツにおける
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