【月舘彩子】受動喫煙で、アルツハイマー病が悪化する可能性のあることが、米テキサス大医学部などのチームによるマウスの実験で明らかになった。19日付英科学誌ネイチャーコミュニケーションズに掲載された。 認知症の一つであるアルツハイマー病は、脳の中にアミロイドベータ(Aβ)やタウと呼ばれる異常なたんぱく質が蓄積することで、やがて神経細胞が減り、記憶力や判断力が衰えるとされる。 チームは、遺伝子操作でアルツハイマー病を発病するようにした生後3カ月のマウスを、1日に1時間、たばこ1本分の煙にさらされるグループと、全く煙のない部屋で育てたグループに分けて4カ月間育てた。 すると、煙にさらされたマウスはそうでなかったマウスに比べ、脳内で記憶をつかさどる海馬や大脳皮質の神経細胞にAβが約40〜50%多く蓄積。炎症を起こしている神経も増えていた。チームは「人への影響はさらなる研究が必要だが、たばこの煙