社説 生活保護見直し 国民の権利を後退させるな2012年8月26日 Tweet お笑いタレントの母親が生活保護を受けていた問題をきっかけに、生活保護の制度の在り方に関心が高まっている。国は支給水準引き下げや、受給を厳格化する方向で見直しを検討している。 受給者に対して偏見や差別と受け取られかねない厳しい意見も出ているという。しかし、生活保護は最低限の生活が保障されるという国民の権利だ。生存権を定めた憲法25条に基づき生活保護の支給を求めた朝日訴訟に象徴されるように、努力を重ね培ってきた制度である。 不正受給など是正は必要だが、決して内容的に後退させてはならない。本当に必要としている人たちが申請をためらい、孤独化・餓死する事態を招いてはならない。 2010年の雇用者に占める非正規労働者の割合は38・8%。3人に1人は不安定な雇用を強いられ、失業はそのまま生活困窮化につながる。生活保護