とりわけ中世(14-15世紀)フランスにゆかりのある詩形の一つである。多くの場合、3連ないしは5連からなり、各連最終行には脚韻が、また短めの最終連(アンヴォワ)においては貴公子への呼びかけが含まれている。フランスでバラードとして生まれた音楽は、ブリテン諸島や北アメリカ、オーストラリア、北アフリカなどへ広がっていった[1] [2] [3]。バラードの最も著名な詩人は、ジョフリー・チョーサーとフランソワ・ヴィヨンである。19世紀にダンテ・ゲイブリエル・ロセッティやアルジャーノン・チャールズ・スウィンバーンらによって復活した。 古くは12世紀北フランスのトルヴェールの歌う世俗抒情歌の形式の1つとして現れた。その後14世紀、アルス・ノーヴァの時代になるとギヨーム・ド・マショーらが、その形式を受け継いだ多声歌曲を書いている。一般にA-a-Bの形式を取る(Aとaは同じ旋律で歌詞が異なる)。多声バラード