【北京=川越一】ロンドン五輪の重量挙げ女子53キロ級で記録なしに終わった中国の17歳、周俊に対するメディアの心ないバッシングが、国民の批判を浴びている。チーム内での“いじめ”疑惑も浮上。関係者らが火消しに躍起になっている。 周は7月29日の試合で、スナッチの試技3回すべてを失敗。ジャークの試技を行うことなく敗退した。重量挙げは中国のお家芸の一つだけに、一部の中国メディアは「恥辱」などと表現した。 実は周の選出には出身の湖北省体育局の利益が絡んでいた。同局は、選考会で勝った同省の選手よりも周が金メダルを獲得する確率が高いと踏み、代表に押し込んだ。 試合では自己ベストよりも軽い重量から始めるのが鉄則だが、コーチは練習で挙げているギリギリの95キロからのスタートを指示。最初の失敗で動揺すると、経験の浅い周は修正できなかった。 背景が明らかになると、インターネット上で周への同情論が高まった。メディ