キャサリン・フィッシャーさん=東京都内、井田香奈子撮影 「これ以上、同じ苦しみを繰り返さないで」。神奈川県横須賀市で米兵に強姦(ごうかん)されたオーストラリア人女性が、被害から10年になるのを機に実名を明かして、日本での米兵犯罪の扱いの不当性を訴えている。加害者の米兵は日本での訴追を免れて米国に戻り、日本の裁判所が損害賠償を命じても応じない。そんな体験が彼女の背を押す。 キャサリン・フィッシャーさんは1980年に来日。東京で英語教師をしている。事件が起きたのは2002年4月。米軍横須賀基地の近くのバーで交際相手と待ち合わせをしていた時、見知らぬ米兵に飲み物を勧められ、意識を失った。近くに止めていた車の中で被害に遭った。 基地内の憲兵隊に駆け込み、被害を訴えた。そこで加害者の米兵と偶然に出くわし、相手を特定できた。だが、捜査を引き取った神奈川県警の対応は、耐え難いものだった。 続きを読