ユーロの将来 北京の対外経済貿易大学で開催された会議に出席する機会があった。会議は「分裂の世紀:ブレトンウッズ体制の終焉?」をテーマとするものであり、ユーロ危機の先行きを中心として通貨体制の将来を巡って議論が行われた。 尖閣問題を巡る日中間の対立が激しくなっているので、日本に対する厳しい質問があるかと危惧していたが、私に話しかけてきた教授や学生は親日的であった。 最初にロバート・マンデル米コロンビア大学教授から基調講演「ユーロで何がおこっているのか、その将来は?」があった。世界の経済パワーに大きなシフトがあり、通貨システムもドル本位制度から複数の準備通貨(ドル、ユーロ、ポンド、人民元、円)が地域的な展開を示すシステムに変化してゆくと述べていた。ユーロについては、参加国の数に変化があるとしても全面的な崩壊はなく、地域通貨として生き残るであろうと予測していた。 他方で、ユーロ圏のスピーカーは、
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