原発直下に地盤をずらす「断層」があっても原発の運転を一律に禁止せず、継続の可能性を残す新たな安全評価基準の導入を経済産業省原子力安全・保安院が検討していることが二十八日、分かった。 保安院は従来「活断層の真上に原子炉を建ててはならない」との見解を示していた。新基準では、これまでは活断層と判断される可能性があった一部の断層について、原発の直下にあっても、ずれの量が小さく原子炉建屋などに影響が生じないと評価されれば原発の運転継続も可能になるとみられる。 だが「ずれの量の正確な評価手法は完全ではない」(保安院)など課題も多い。新組織「原子力規制委員会」が近く発足するのに伴い解体される保安院による「安全規制の抜け道づくりではないか」との厳しい声も出ている。