昨年9月、尖閣海域に向かった台湾漁船団=台湾宜蘭県蘇澳、村上太輝夫撮影日中の中間線と台湾側が主張する境界線 沖縄県の尖閣諸島海域で、日本側による台湾漁船に対する取り締まりラインが後退している、と台湾側が受け止めていることが分かった。日本側は「取り締まりラインは従来と変わっていない」と強調しているが、実際に同海域に漁に出ている台湾の漁業関係者は「日本政府の善意だ」と歓迎している。 違法操業を取り締まる日本の水産庁によると、台湾との間には漁業協定がなく、日本の排他的経済水域(EEZ)で台湾漁船が操業すれば、接続水域や領海に入らなくても違法になる。日本政府は尖閣諸島と台湾の間に中間線を引いており、日本側のEEZで違法操業する外国漁船には水産庁と海上保安庁が退去を求めてきた。 ところが、尖閣周辺海域に出漁している台湾宜蘭県の蘇澳区漁会によると、以前は、台湾の漁船が日本のEEZ内である尖閣の島