これらの腸内細菌の組成には個人差が大きく、ヒトはそれぞれ自分だけの細菌叢を持っていると言われる。ただしその組成は不変ではなく、食餌内容や加齢など、宿主であるヒトの様々な変化によって細菌叢の組成もまた変化する。 例えば、母乳で育てられている乳児と人工のミルクで育てられている乳児では、前者では、ビフィズス菌などのBifidobacterium属の細菌が最優勢で他の菌が極めて少なくなっているのに対して、後者ではビフィズス菌以外の菌も多く見られるようになる。このことが人工栄養児が母乳栄養児に比べて、細菌感染症や消化不良を起こしやすい理由の一つだと考えられている。 新生児ではラクトバシラス属が最も多くなる。乳児の腸内細菌の優占種は、ラクトバシラス属とフィルミクテス門の近縁種となる。生後1か月経つと胎便という黒い粘質便が出て、生後3か月間はフィルミクテス門が優勢となる[12]。 乳児が成長して離乳食を
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