1年前、アラブ世界で自由と民主化を求めて、若者たちが立ち上がり、独裁体制が次々と倒されていった。 「アラブの春」と呼ばれ、国民自らの手で成し遂げた変革に世界中が興奮した矢先、日本を大震災と津波、原発危機が襲った。 変革の先頭に立つ国々のチュニジア、エジプト、ヨルダンからジャーナリストやNPO活動家ら、「アラブの春」運動を引っ張った16人が日本へ招かれ、東北の被災地を回り、復興にあたる人々と交流した。 来日したチュニジア人の記者タレク・ムラドさん(34)が「ぼくらの国が民主化運動の先陣を切ったという自負がある」と胸を張れば、ヨルダン人の若手官僚ナスル・サエル・アルジュードさん(28)は隣国シリアで続く流血事態に、「私の国ヨルダンのアブドラ国王は、自分がシリアの指導者だったら、辞任していただろう、と語り、間接的に隣国の権力者を批判した」と発言した。 いずれも20年以上前、若い特派員として頻繁に