ラダックにおける人の痕跡は青銅器時代までさかのぼることができる。その頃に掘られたと思われる岩面彫刻から、当時の人々が中央アジアの草原から来た狩猟民族であることが推測されている。この狩猟民族は今でもカザフスタンや東トルキスタンに住んでいる狩猟民族と先祖を同じくすると考えられている。また、次の移住者としてやってきたダルド族が先住民と混ざる、あるいは入れ替わる前、チベットビルマ語族がこの時代、この地域に住んでいた可能性もある。初期仏教は少なくとも紀元前2世紀にはラダックに伝播したと思われる。クシャーン朝時代の仏教遺跡も見出される。初期仏教はこの地域へ経てさらに東へ伝わっていく。7世紀、チベットの吐蕃王国がシャンシュン王国を併合、ラダックと西ヒマラヤ地方を支配し、チベット民族が定着してゆく。8世紀になるとチベットから流入した仏教が再び盛んになる。 841年に吐蕃が滅亡すると、842年に中央チベット