陸上自衛隊のヘリコプター開発をめぐる官製談合疑惑で、防衛省技術研究本部に在籍していた佐官級幹部が、次期多用途ヘリ「UHX」を受注した川崎重工業の担当者に、競合していた富士重工業を排除するための案を相談していたことが、関係者への取材で分かった。東京地検特捜部は、川崎重工業に確実に受注させるための入念な準備だったとみて調べている。 次期多用途ヘリの開発先の選定では、技術研究本部がヘリに求められる性能をまとめた仕様書を作り、メーカー向けに必要な性能などを詳しく記した「提案要求書」の原案も作成した。 関係者によると、佐官級幹部らは、仕様書の原案を川崎重工業側に提供し、同社に有利になる仕様書作りに関与。提案要求書が川崎重工業と富士重工業に手渡される四カ月前の昨年五月には、川崎重工業の担当者に「富士重工業が対応できないような提案要求書のアイデアを出してほしい」と持ち掛けたという。