大泉啓一郎『消費するアジア──新興国市場の可能性と不安』(中公新書、2011年) ・著者は前著『老いてゆくアジア──繁栄の構図が変わるとき』(中公新書、2007年)で少子高齢化はアジア諸国共通の課題だと指摘していた。他方で、アジア各地の大都市の躍動感あふれる若々しさとのギャップをどのように捉えたら良いのか。本書はこうした問題意識から、国レベルで平均化された経済指標ではなく、メガリージョンやメガ都市と地方・農村との相違、さらには両者の分断が進行しつつある現状に注目しながら、アジア経済のダイナミズムとその背景に伏在する問題を把握しようとしている。 ・「ボリュームゾーン」(売れ筋商品の市場)→アジアで拡大しつつある中間所得層に着目して、機能の簡素化などのコストダウンによって販売網を開拓→ボリュームゾーン・イノベーション。現地のニーズに合わせて機能を調整。 ・BOP(Base of Pyramid