第13回(ゲスト:菅原伸也)――現在の日本で共同体を再考することについて 美術批評の菅原伸也さんから田中さんへの第一信。意見交換の出発点として、「参加」「社会的包摂」「地域アート」等に対して抱く問題意識が語られます。 往復書簡 田中功起 目次 件名:参加とその不満――共同体への転回 田中功起さま ちょうど田中さんからの第一通目が僕のところに届いた日でもある2016年4月16日に熊本を中心とした九州地方で大きな地震が発生しました。東日本大震災の際はロサンゼルスにいた田中さんですが、今回の地震の時は日本に滞在している最中であったと思います。おそらく前回とは地震に対する距離感の違いや「経験の差」など様々なことを感じていることだろうと想像します。さらに、田中さんが所属しているARTISTS’ GUILDのメンバーが企画に関わって開催されているキセイノセイキ展(東京都現代美術館)においてどうやら異常