政治の面では、中央から地方への税源移譲や地方議会の権限強化、地域政党の結成・政界進出など、地方自治の強化へと結びつく。文化の面では地域の言語(方言)の保護や伝統文化の保存などが積極的におこなわれる。 国威発揚・対外拡張といった国家主義を支えるナショナリズムに対し、伝統保存・地方自治を尊重する地域主義を支える立場としては愛郷主義(localism)[2]が一般的である。 経済の面では、地域の内発的発展を重視し、全世界的に展開する中央資本・多国籍企業に対して、地域を地盤とする地場資本の調和や保護を要求する。国家的・国際的経済開発計画を受けての地域開発においての地方の利害や独自性を強調する。 日本においては、「地域主義」の主張は1970年代に盛り上がりを見せた。「地域主義」を言葉として提唱したのは、玉野井芳郎で 『地域分権の思想』(1977年)において「一定地域の住人が、その地域の風土的個性を背