2016 年 11 月 【要 約】 幅広い用途で利用される化学品の需要は、概ね経済全体の動向と連動する ことから、今後も高い経済成長が期待される新興国を牽引役に、増加基調 を辿る見通し。 もっとも、 我が国を取り巻く競争環境は各事業により大きく異なっており、 基礎化学・機能性化学に分けた場合の方向性は以下の通り。 価格選好の色彩が濃い基礎化学では、 コスト競争力に劣る我が国メーカ ーを取り巻く環境は厳しさを増す 幅広いユーザーニーズへの対応力が求められる機能性化学では、 一部製 品で価格競争が生じるも、ノウハウの蓄積、専門的な技術で勝る先進国 メーカーが引き続き高い競争力を保持 主要企業の収益動向をみると、我が国総合化学メーカーは、同じく基礎化 学・機能性化学の双方を手掛ける BASF、Dow Chemical、DuPont といった 欧米メジャーに及ばない状況が続く。