タタール(Tatar, タタール語: татарлар)は、北アジアのモンゴル高原とシベリアとカザフステップから東ヨーロッパのリトアニアにかけての幅広い地域にかけて活動したテュルク系民族に対して用いられてきた民族総称である[38]。日本では、中国から伝わった韃靼(だったん)という表記も用いてきた[39]。 タタル (Татарла, Татар - Tatarla, Tatar) という語は、テュルク系遊牧国家である突厥(とっけつ)がモンゴル高原の東北で遊牧していた諸部族を総称して呼んだ他称である[40]。この語はテュルク語で「他の人々」を意味するとされ[41]、その最古の使用例は突厥文字で記した碑文(突厥碑文)においてであった。まもなく中国側もテュルク語のタタルを取り入れ、『新五代史』や『遼史』において「達靼」「達旦」などと表記したが、これは他称ではなく、彼らの自称であるといい[42]、