読売新聞東京本社は18日、「著作権者の意向を無視して本を販売するのは許されない」として、七つ森書館(東京都文京区)を相手取り、著作権法に基づき、販売禁止を求める仮処分を東京地裁に申し立てた。 申し立ての対象は、かつて新潮社から単行本、文庫本として出版され、その後絶版になった「会長はなぜ自殺したか――金融腐敗=呪縛の検証」(読売新聞社会部)の復刊本。著作権は読売新聞東京本社にある。 この本をめぐっては、読売新聞東京本社社会部次長と七つ森書館代表取締役の名前で昨年5月に交わされた「出版契約書」は無効だとして、読売側が七つ森側を相手に契約の無効確認を求める訴訟を起こし、18日に第1回口頭弁論が開かれたばかり。弁論後、七つ森側が週明けに出版・販売することを明らかにしたため、読売側が仮処分を申し立てた。 読売側は、〈1〉題材となった事件が約15年も前で関係者のプライバシーや心情を考慮すべきであること