20年以上前、長野県の「リゾートオフィス」に1週間滞在して、東京と同じように仕事ができるかどうかを実験したことがある。当時、旺盛なオフィス需要に東京都心部の開発が追いつかず、都心のオフィス空室率は1%を切るほど需給が逼迫していた。「土地バブル」といわれた地価高騰で、経済や人口の東京一極集中が大きな社会問題となっており、郊外や地方にオフィスを分散する政策が進められていた。「リゾートオフィス」では雑務に忙殺されないものの、周辺の環境が快適すぎて昼間はロッジにこもって仕事をするのがもったいなく感じた。あまりに自由で思ったほど仕事に集中できない上、新聞や雑誌の購入すらままならず、通信手段は固定電話とファックス、情報機器はワープロ専用機とフロッピーディスクでは、あらかじめ持ち込んだ資料の整理くらいしかできなかった。携帯電話やインターネット、ウェブサイトのない時代、都心部のオフィスとリゾート地では情報
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