法華経に支えられた人々 相賀家の人々(1898~ ) 「小学生に良き雑誌を」一途信念で小学館を創業・発展させた一族。 日蓮聖人から京都開教を付嘱された日像上人(1269―1342)。その遺志を継いだ大覚大僧正(1297―1364)は、中国地方を布教し、備前法華(びぜんほっけ)という安芸門徒と並び称せられる法華信仰の拠点を築いた。この地より、臨調の会長を務めた土光敏夫(どこうとしお)氏・心理学者の小田晋(おだすすむ)博士等、粛々と法華信仰を育んだ人を輩出している。 明治30年(1898)4月2日、岡山県都窪郡加茂村で備前法華信仰を代々育む庄屋に、ひとりの男子が生まれた。後に、出版業界に新風を送った小学館創設者・相賀(おおが)祥宏氏である。祖父は村会議員を務める村の名士で、村の改良のために私財を投じた人であった。私財を使い果たし、父・虎右衛門は若い時から病を患ったため、祥宏氏は貧困を余儀なくさ