地方都市に出張すると、百貨店内にあるティールームを利用して取材や視察の準備をすることが多い。大手カフェチェーンはテーブルや椅子が小さく、たいてい混んでいる上、ダウンライトや間接照明で暗いため、新聞を広げて読んだり資料を見ながらノートにメモをとったりするアナログ的作業には向いていないためだ。タブレット端末やスマートフォンを使いこなせない“昭和な人”と言われそうだが、時間に追われる出張の中で、ひとときゆったりとした空間と時間を消費して英気を養っていると思っている。また、通常、百貨店は最上位所得層向けの商品を主に扱うだけに、各フロアを見て歩けば他都市との売れ筋や客層の違いも実感しやすい。特に、その都市を代表する地元の老舗百貨店の場合、そのエリアが現在も商業地として賑わっているのかそうでないのかによって、街の経済重心や人の流れの変化などもわかって興味深い。 先ごろJR大阪駅前で増床開業した百貨店は
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