東京電力福島第1原子力発電所事故で飛び散った放射性物質を取り除く技術開発が、国内企業で急速に進んでいる。東芝は汚染された水から62種類の放射性物質を取り除くことができる装置を開発し、中堅ゼネコンの前田建設工業は土壌のセシウムを95%以上取り除けるプラントの実用化を目指す。いずれの技術も放射線量を大幅に下げられるため、福島第1原発の廃炉や汚染土壌の効率的な除染に役立ちそうだ。 福島第1原発の敷地内には現在、高濃度放射性物質を含む汚染水が約20万トン程度あり、廃炉作業の大きな弊害となっている。増え続ける汚染水を効率的に処理する装置が、原発メーカー大手の東芝が開発した「多核種除去設備(アルプス)」だ。 装置は活性炭や樹脂などの特殊な吸着剤を使い、重金属や放射性物質を取り除く仕組み。同原発内では、汚染水からセシウムを取り除く同社製の処理装置「サリー」が稼働中だが、アルプスは、ストロンチウムやヨウ素