尖閣諸島の国有化を発端に中国で拡大する反日デモを受け、東日本大震災で被災した東北の子供を癒やそうと、仙台市が進めるジャイアントパンダの誘致計画が、いっそう先行き不透明になっている。「中国にすり寄るな」。市には抗議メールが届き、計画の白紙撤回論も。一方、東京・上野動物園では、赤ちゃんパンダの死骸が今も園内に冷凍保存されたまま。尖閣問題は愛らしいパンダにも影を落としている。 「北京での協議開始を待っていたが、こんな状況では…」。パンダ誘致を目指す仙台市の氏家道也建設局次長は肩を落とす。 昨年12月には野田佳彦首相が、パンダ貸与を中国の温家宝首相に要請。今年3月には市幹部が、誘致を支援するジャニーズ事務所の近藤真彦さんらと北京を訪れ、関係省庁のあいさつまわりを行った。 あとはレンタル料や期間などの具体的な交渉を進める手はずだったが、「反日デモが始まり、協議の連絡があるとも思えない。上野にパンダが