チャン族は「爾瑪(アーマ)」或いは「爾羋(アーミ)」と自称する。その意味は「現地で生まれ育った人,土着の人」である。中国による支配後、統一して羌(チャン)族と称するようになった。 チャン族(羌族)はシナ・チベット語族のチベット・ビルマ語派に属するチャン語(英語版)を話す。チャン語には南北2大方言が存在する。 彼らは現代中国では、古代の史書にあらわれる羌人の末裔であるとされているが、本来の「羌」はチベット・ビルマ系言語を話す諸民族の総称である。ここでは古代の羌人は「羌人」、現代のチャン族は「チャン族」とし、両方について記述する。 古代の羌人の中で最大勢力を誇り、西夏を建国したタングート族には独自の文字として西夏文字が存在し、そこから再現されたタングート語は、現代のチャン語北部方言に比較的近い。西夏文字は1227年に西夏がモンゴル帝国に滅ぼされて以降徐々に使われなくなっていったが、1502年ま