「長年にわたり、卒業生を大量採用してきた内陸部の複数の職業訓練校から、紹介は当分行わないと通告された」。上海に本社のある日系電機メーカー幹部は、肩を落とした。信頼関係を築いてきたつもりだったが、新卒者の採用が長期間にわたって途切れれば、中国での生産態勢は見直さねばならない。 学校側は「日中関係の悪化とは関係ない」と説明したというが、日本政府による尖閣諸島国有化への対抗措置の可能性が高い。 一部が暴徒化して店や工場が襲撃された反日デモや、日本人を標的にした暴力行為など、目に見える直接的な被害は影を潜めた。しかし、日本製品の不買運動に加え、「日系企業はずし」ともいえる間接的な被害が、じわじわと広がっている。 日系機械メーカーが、遼寧省の大学で落札したはずの数億円に上る機器納入案件が、「書類不備」を理由に突然キャンセルされた。契約違反だと主張しても、らちがあかない。同社は「大学に限らず、地