<東京の大学に進学するまでは、実家の洋品雑貨店を継ぐつもりだった> 大学の同級生には、大企業の幹部の子弟や芸能人の息子もいました。いろんな世界があることを知り、「家業を継ぐ前に、地元の大きな企業で働きたい」と思うようになりました。 最初に配属されたのは生産管理でした。1000万円以上の高額受注について、納期に間に合うかなどを検討する仕事でした。 実家が売るのは300円の靴下なのに、入社1年目の私は1000万円の商品を扱う。仕事の規模が大きいことに面白みを感じました。 <産業のオートメーション化が進み、1960年代後半に安川の技術者が機械工学(メカニクス)と電子工学(エレクトロニクス)を組み合わせた「メカトロニクス」という和製英語を提唱した> 安川は、炭鉱掘削用などの大型モーターのメーカーでした。しかし、国内炭鉱の閉山が相次いで掘削用モーターの需要は減り、オートメーションの波が押し寄せていま