尖閣諸島をめぐる日中摩擦の影響で、日本の国内総生産(GDP)が年間8200億円押し下げられる可能性があることが25日、大和総研の試算で分かった。日系企業の現地工場の休業などで、中国向けの年間輸出額が1兆円減ると仮定した。中国からの訪日観光客減少が重なれば、影響はさらに広がるとしている。 大和総研の試算は、反日デモを避けるための工場停止や、対日制裁とみられる通関の厳格化、不買運動などで、中国向けの機械や部品の輸出が1年で1兆円減るとした。財務省の貿易統計によると、平成23年度の中国向け輸出額は12兆4800億円で、約8%にあたる。 国内製造業は日本から機械や部品を輸出し、中国の工場で完成品に仕上げ、欧米へ輸出している。中国向け輸出が減れば、部品や機械を作る国内の製造業は生産を減らさざるを得ず、裾野も含めた生産額は2兆2千億円減るという。