シャープと台湾・鴻海精密工業との提携見直し協議が大詰めを迎える一方で、部品などを納入するシャープの取引企業への影響が深刻化している。生産縮小に伴い、社員の削減を余儀なくされた中小企業もあり、地域の雇用や地元経済への影響は少なくない。主力のテレビ事業の不振などに加え、事業リストラの先行き不透明感から「受注がなくなる」との悲鳴も上がっている。 「シャープには、もう何も期待できない」 シャープに液晶テレビ部品などを納入する大阪府内の製造業者は、落胆した表情で打ち明けた。 同社は昨年、シャープの経営悪化に伴い受注が半減し、大幅な人員削減に踏み切ったばかり。「まさに弱り目にたたり目。今もほとんど受注がない現状だが、今後はゼロになると覚悟している。対策の打ちようもない」と悲痛な声で窮状を訴えた。 シャープからの受注が大半を占める別の企業関係者も「今後、(シャープの)人員削減や設備投資の抑制が、どれだけ