海上自衛隊横須賀基地(神奈川県横須賀市)の護衛艦「たちかぜ」元乗員のいじめ自殺訴訟を巡り、毎日新聞は、海自が「破棄した」としながら後に見つかった全乗員に対する艦内生活実態アンケートの一部を入手した。04年に自殺した1等海士(当時21歳)に対する先輩の暴行について複数の目撃証言が記されていたほか、訴訟で海自が主張してきた内容と食い違う記載もあった。 アンケート内容全体を精査している原告側の弁護士は「1審判決が否定した自殺を予測できたかどうかについて、影響を及ぼすような証言が含まれている」と話している。 海自横須賀地方総監部は1士の自殺直後、たちかぜの乗員190人にアンケートを実施し、いじめの有無などを尋ねた。海自の事故調査委員会はその結果などを基に05年、「いじめと自殺の因果関係は不明」との報告書を公表した。 入手したアンケート結果によると、質問項目は「他の乗員から暴行を受けたことがあるか」