日本の子どもたちの睡眠時間が減っているのは、大人と同様。前回は未就学児や小学生の話だったが、三島さんによると、問題はそれに留まらないという。 「睡眠不足による精神症状の出方は、年代ごとにちょっと違うだけでずっと大人まで続くんです」と。 例えば── 「小学生は、自分の眠気をうまく表現できないんで、むしろ情緒的な反応を示す、もしくは行動面で示す。落ちつきがなくなったり、多動状態になってくる。中高生になると、今度は、キレやすいといった問題ですね。実は精神科医なら経験的に知っていることなんです。例えば統合失調症とか、躁うつ病の躁状態の方で、穏やかではない精神状態の人がいるわけです。その要因に、不眠で眠気が強いことがありえる。いったん寝れてしまうと、興奮がおさまることがよくあるんですね」 「これは、実は誰でもそうなんだと思います。自分自身について言っても、寝不足のときは、ちょっと不愉快なことがあると