<要約・概要> 大都市圏における人口動態を都市中心からの距離帯別に分析したところ、2010年までは郊外部ほど高齢化率の上昇幅が大きかったが、今後2050年にかけては一転して、都心部ほど高齢化の進展が顕著になる結果となった。 日本の総人口は全域的に減少が見込まれている一方、高齢人口は2050年にかけて都心から郊外まで増加を続け、特に東京都心から1~13kmの圏域では、高齢人口密度が4千人/km2を超える見通しである。東京の都心近郊において、高齢者が集積する“シルバーリング”とも呼べる圏域の形成が予想される。 若年層が通勤・通学利便性の高い都心居住を進めてきたことが、これまで都心部の高齢化を抑制してきたが、その世代の老齢化や、少子化に伴う若年層の都心流入ペースの減速、都心部における極めて低い出生率を背景に、今後は逆に都心の高齢化が加速すると推察される。 東京都心部では高齢化率が45%を超える、