またもや穀物や原油など国際商品市況が高騰している。米中西部を襲った熱波と干魃(かんばつ)のせいで大豆やトウモロコシの先物相場が急騰するのはわかるが、原油価格に波及するのは何とも不合理だ。市場沸騰の要因は一つしかない。投機である。株式など金融市場からあぶれた余剰マネーが国債など債券市場では飽き足りず、モノ、つまり商品に向かうのだ。(フジサンケイビジネスアイ) このマネー・フロー・モデルの始まりは2007年8月初めの米サブプライム・ローン危機である。米住宅価格の値下がりとともに、サブプライムを分解してその一部を組み込んだ証券化商品のリスクが表面化した。あわてた米欧の投資ファンドが金融市場から資金を引き揚げて、値上がりが見込める原油、金、穀物に投入するようになった。08年3月には証券大手の米ベアー・スターンズが経営破綻し、米連邦準備制度理事会(FRB)が信用不安緩和のためにドル資金を市場に大量供