バブル時にもてはやされた「Qレシオ」「PSR」 東京湾の埋め立て地、江東区・豊洲。かつては工業用地が大半を占めたこの街は、再開発によって一変した。現在は、高層マンションやオフィスなどが軒を連ね、21世紀を象徴する東京の新交通システム「ゆりかもめ」が走る。 1980年代後半のバブル相場をリードしたのは「ウォーターフロント関連銘柄」。豊洲に広大な土地を保有する石川島播磨重工業(現IHI)を始め、東京ガス、日本鋼管(現JFEホールディングス)の「御三家」中心に、東京湾岸に不動産を持つ企業の「含み」が脚光を浴びた。証券マンは机に地図を広げ、「ここはどこの会社の土地なのか」などと関連株発掘にしのぎを削った。 当時もてはやされた指標の一つに「Qレシオ」がある。株価を1株当たり実質純資産で割ってはじき出す。分母に簿価ではなく、含み資産を考慮した時価を用いるのが株価純資産倍率(PBR)と異なる点だ。 ただ