東京都文京区にある「印刷博物館」で現在「鯰絵の世界」という展示がおこなわれている。「鯰絵」というのは文字通りナマズが描かれた絵だ。 安政2(1855)年、江戸一帯を大地震が襲った。夜間、推定マグニチュード6.9といわれる大きな地震が起こり、家屋倒壊や長引く火災によって1万人以上が亡くなったのではないかと考えられている。鯰絵は地震直後に大量に発行された多色刷り版画で、地の底で地震を起こすと迷信で言われていたナマズを、地震の守り神である「鹿島大明神」がこらしめるような絵などが描かれている。 この鯰絵登場したのは地震の翌日だというからビックリ。一気に民衆の間で大ブームになって、色々なバリエーションが登場した。200種類以上が2ヶ月間の間に発行され、飛ぶように売れたという、ちょっと今からでは考えられない状況だ。2ヶ月経って幕府が取り締まり、発行禁止処分となり、ブームは一瞬で終わった。当時浮世絵など