回線工事の遅延を巡り、日本郵政子会社とソフトバンクが互いを訴えた裁判。東京地方裁判所は2022年9月、ソフトバンクに約108億円の賠償命令を出した。一方、日本郵政側には追加業務の報酬として約19億円の支払いを命じた。日経コンピュータの取材によると、双方が控訴したことも明らかになっている。一審判決まで7年もの歳月を費やした事件の経緯を裁判記録から読み解く。 「工事の遅延によって損害を被った。作業を担当したソフトバンクと管理業務を担った野村総合研究所は連帯で約161億円の損害金を支払え」「遅延によって生じた追加業務の報酬として、日本郵政インフォメーションテクノロジーは約239億円を支払え」――。 日本郵政グループの通信回線敷設工事の遅延を巡り、2015年に日本郵政子会社の日本郵政インフォメーションテクノロジー(JPiT)と、ソフトバンクや野村総合研究所(NRI)が互いに巨額の損害金や報酬を求め