東南アジア各国で選挙制度が機能不全に陥っている。タイでは軍の影響力行使を可能にする諸制度が、民意の実現を拒む。1党独裁のカンボジアは下院選から有力野党が排除された。軍がクーデターで選挙結果を否定したミャンマーでは、泥沼の内戦が2年以上も続く。各国の市民らは抗議の声を上げるが、民主主義への道のりは遠い。(バンコク・藤川大樹、写真も)
2020年はコロナが世界を震撼させた年となったが、タイでは別の意味で世界がひっくり返るような年となった。若者たちを中心に、実質的な軍政である現政権の退陣、民主主義に則った新憲法制定、さらには、王室制度の改革まで要求する運動が持ち上がったのである。王室は神聖なものであり、触れることは絶対にタブーとされてきた王室問題を、しっかりと見つめ議論しようという運動が1932年の立憲革命以来初めて大規模に起こったことになる。これまで19回にも及ぶ軍事クーデター★1と憲法廃止の繰り返し、そして軍事クーデターが無理と思えば司法クーデターという手段すら駆使して権力を維持してきた支配層は、中高生をも含むこの新たな運動に驚愕した。3つの要求はまだどれも満たされていないものの、タイをもう二度と元に戻れないところまで運んだという意味で、2020年民主化運動の意義には計り知れないものがある。 1970年代、1990年代
この写真にはショッキングな表現、または18歳以上の年齢制限の対象となる内容が含まれます。 ご覧になる場合にはご了承の上、クリックしてください。 【12月8日 AFP】悩める学生からドラァグクイーンへ、3時間かけて生まれ変わる──民主化を求めるタイの抗議デモで、ジェンダー間の平等を呼び掛ける軽口好きのMC(進行係)、「マサラ・ボールド(Masala Bold)」の素顔は、演劇を学ぶシラポップ・アットーヒ(Siraphob Attohi)さん(21)だ。 マサラ・ボールドは、首都バンコクで行われている学生主体の抗議デモの常連だ。その華やかな存在感とみだらなジョークは、プラユット・チャンオーチャー(Prayut Chan-O-Cha)首相の辞任や王室改革を求めるデモ指導者らの演説に、絶妙な間をもたらす。 私生活では男性として「ラプター」というあだ名で呼ばれているシラポップさんは、エンターテイナー
先鋭化するタイ民主化デモの文化的側面。その歴史とネットワークを探る現在タイでは、軍事政権を率いるプラユット首相の辞任や憲法改正、さらにこれまでタブーであった「王室改革」を求める大規模な民主化デモが続いている。その中心を担うのは中高生を含む若者たちだ。デモ隊はラディカルな主張を展開するいっぽうで非暴力的であることを重要視しており、そこで採用されているのが文化的な手法や表現だという。様々なアーティストやラッパー、劇団などがそれぞれの方法で作品を発表し、支援しているというこのデモの文化的な側面について、タイ文学研究者、タイ語翻訳者の福冨渉が解説する。 文=福冨渉 タイのヒップホッププロジェクトRap Against DictatorshipのInstagramより(https://www.instagram.com/p/CHmbOPUnDOx/?utm_source=ig_web_copy_li
【バンコク時事】タイのデジタル経済社会省は12日、国民に対し、王室や軍事政権を批判する言論活動で知られる学者ら3氏がソーシャルメディアなどに投稿した情報をフォローしたり共有したりしないよう求める異例の声明を発表した。 3氏は、歴史学者のソムサック・ジアムティラサクン氏と京都大のパビン・チャチャワンポンパン准教授の在外タイ人2人と、英国人ジャーナリストのアンドルー・マクレガー・マーシャル氏。 声明は「不適切な情報」を共有した場合、コンピューター犯罪法違反に問われる恐れがあると警告する内容となっている。 これに対しマクレガー氏は「ばかげた抑圧的な命令だが、無実の人々が私のジャーナリズムをフォローしているというだけで標的になってほしくない」として、注意を呼び掛けるコメントをフェイスブックに投稿している。
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く