ツラツラと『魏晋南北朝通史』1を読んでいたら、『蘭陵王』2で見かけた記事があったのでメモ。 で、 『蘭陵王』を読んでいて気になったのが、以下の個所。 (前略)連日、雪が降り、黄河は氷結した。雪がやんだある日、蘭陵王が月琴にいった。 「西岸のようすが見えるだろう、そなたの眼なら」 そういわれて、月琴は対岸を遠望した。黄河の西岸は周の領土だ。黄河の幅は二里ほどであろうか、灰色の空と白い河氷との間に、黒い点がいくつもうごめいている。 「どうだ?」 「岸の近くで、しきりに人影が動いております。ああ、氷を割っているのですね。風に乗って、指示する声も流れてきます」 「なぜ氷を割るのか、わかるか」 「氷を溶かして氷にでもするのでしょうか」 月琴が思いつきを口にすると、「ちがう」と蘭陵王は笑いつつ頭を振った。 「冬になると、周軍は黄河の氷を割る。わが軍が氷上を渡って攻撃してくるのではないか、と恐れているの