【ワシントン=勝田敏彦】米軍のコンピューターネットワークが2008年、USBメモリーから侵入した不正プログラムによって「米軍史上最悪」のサイバー攻撃にさらされていた。米国防総省のリン副長官が、25日発行の外交評論誌「フォーリン・アフェアーズ」(電子版)に投稿した論文で明らかにした。 論文によると、中東にある米軍基地のノートパソコンに、外国の情報機関関係者がUSBメモリーを挿入。記録されていた不正プログラムが米中央軍のコンピューターネットワークに侵入した。 不正プログラムは、検知されないまま軍のネットワークに広がり、データを何者かに転送しようとしていたといい、副長官は「米軍のコンピューターへの史上最悪の侵入だった」とした。 論文は、侵入による具体的な被害は記していない。しかし軍のネットワークへの侵入はほかにも起きており、兵器の設計図や作戦計画などが流出していると指摘した。同盟国や軍関連