北極海航路に価値はあるのだろうか? 「総合海洋政策本部会合 北極に関する初の基本政策決定」によれば政府は「アジアとヨーロッパを結ぶ北極海航路の官民連携による活用」を基本方針に据えるという。 たしかに、地図上で見れば北極航路は有望に見える。東京-ロッテルダムが北極海経由であれば1.3万キロであり、今のバシー・マラッカ・スエズ・ジブラルタル経由の2.1万キロよりも近く見えるからだ。 だが、「アジアとヨーロッパを結ぶ北極海航路」は「活用」できるものなのだろうか? まず、安価ではない。温暖化の結果、北極海では開氷面が増えたという。だが、開氷面にも季節変動があり、小規模な結氷、流氷もある。商船はそれに耐える高級なグレードが必要になり安価ではない。場合によれば先導する砕氷船のコストも考えなければならない。 また、安定使用は難しい。また荒天も多い割に航路支援は絶無である。位置はGPSでわかるので灯台はい