2003年3月に始まったイラク戦争に英国が参戦する経緯を検証した独立調査委員会が6日公表した報告書は、当時のブレア政権の判断を厳しく批判する内容だった。発表まで長期間を要した経緯や英国での影響を探り、同戦争を主導した米国や支持した日本での検証の内容を振り返った。 「侵攻の事前検討も決定した政策の実施も不十分だった」。独立調査委を率いたチルコット委員長の6日の声明には、辛辣(しんらつ)な言葉が並んだ。だが、調査の真の狙いは、英国社会の分断を引き起こしたイラク戦争を巡る議論に終止符を打つことだ、とロンドン政治経済学院(LSE)国際関係学部のジェームス・ストロング研究員は見る。イラク戦争は「誤っていた」との認識は広く共有されており、議論終結には「間違った理由を明らかにする必要があった」という。 今回の報告は、イラク戦争に関するものとしては4回目。以前の報告は英国民を納得させなかった。そこで、09