熊本城を手がけ「築城の名手」と言われた武将の加藤清正が、名古屋城の天守の石垣を築いたことを直接示す文書が見つかりました。専門家は「石垣の歴史的な価値を評価するうえで貴重な史料だ」としています。 研究に当たっている熊本大学永青文庫研究センターの稲葉継陽教授によりますと、文書は、江戸時代初めの1610年に記されていて、当時、徳川家康から名古屋城の築城を命じられた複数の大名の中に、天守を示す「御天守」の担当として加藤清正を表す「賀藤肥後守」の名が書かれているということです。 名古屋城の天守の石垣を清正が手がけたことは知られていますが、稲葉教授によりますと、直接示す史料が見つかったのは初めだということです。 稲葉教授は「石垣の学術的、歴史的な価値を評価するうえで貴重な史料だ。今後の名古屋城の保存や活用を考えていくうえでも重要だ」と話しています。