タグ

ブックマーク / geopoli.exblog.jp (15)

  • プーチンは失敗した?フリードマン論文 | 地政学を英国で学んだ

    ウクライナのニュースを見ていると、何が起きているのか、どこに向かっているのか、よくわからない。情報には事欠かないが、その多くはソーシャルメディアのアカウントからで、そのすべてが信用できるわけではないし、またその性質から全体像を把握することはできない。デジタル時代といえども「戦争の霧」が晴れることはない。 しかし、いくつかの予備的な結論を出すには十分な情報がある。 ロシア軍は優勢であったにもかかわらず、戦術的な奇襲と圧倒的な数の可能性という利点があった開戦初日には、予想されたほどの進展はなかった。最初の攻撃は広く期待されていたようなエネルギーと推進力には欠けていた。ウクライナ人は気迫に満ちた抵抗を見せ、侵略者に犠牲を強いた。しかし今日の情勢はさらに暗くなる可能性があり、将来はもっと厳しく辛い日々になるだろう。しかし「プーチンは勝ち目のない戦争を始めたのだろうか」と問うのはもっともなことである

    プーチンは失敗した?フリードマン論文 | 地政学を英国で学んだ
  • ロシアはウクライナに侵攻しない? | 地政学を英国で学んだ

    A:何らかの誤算があれば、戦争になる可能性はある。すべてはロシアのプーチン大統領が何を考えているかにかかっているようだ。私は、ロシアの潜在的な動きについて「費用対効果の分析」という観点から考えてきた。プーチンの過去の戦争に関する意思決定のパターンを見てみると、彼はロシアの犠牲者がほとんど出ないような小規模で低コストの戦争を好んでいることがわかる。2008年のグルジア侵攻、2014年のクリミア併合、2015年からのシリアのアサド政権への支援介入は、すべてこのモデルに合致している。 これらの紛争で犠牲になったロシアの人命はごくわずかであり、そのほとんどは金で雇われた傭兵であった。ロシア人が犠牲になったとしても、それはクレムリンによって秘密にされていた。ロシアで最大の国家機密のひとつは、プーチン政権の下で何人の若者が殺されたかということだ。プーチンはこの数字に細心の注意を払い、それが彼の重要な政

    ロシアはウクライナに侵攻しない? | 地政学を英国で学んだ
    nagaichi
    nagaichi 2022/01/29
    「意外」でも何でもない。緊張が高まってるのも、中間選挙をにらんだアメリカの国内事情が大きいしな。バイデンは制御できるほうに張って強気に出てるわけだし。
  • なぜ日本のリーダーは共和党の人間が好きなのか | 地政学を英国で学んだ

    これは番組の方でも触れたグレン・フクシマ(日系三世の米国人)という長年日米関係に関与しているアメリカの元官僚の人物による、表題通りの「日のリーダーはなぜ共和党の人間が好きなのか」という内容の8月にジャパンタイムズ紙に掲載された記事です。

    なぜ日本のリーダーは共和党の人間が好きなのか | 地政学を英国で学んだ
  • トルコのクーデターはなぜ失敗したのか | 地政学を英国で学んだ

    今日の横浜北部はどんよりとした曇り空です。まだ梅雨は明けないのでしょうか。 さて、今回のトルコでのクーデター未遂事件に関して、デビュー作で『クーデター入門』を書いているブログでも同じみのルトワックが、さっそくフォーリン・ポリシー誌に興味深い記事を掲載しておりましたので、その要訳を。 === トルコのクーデターはなぜ失敗したのか by エドワード・ルトワック 「軍事クーデター成功のためのルール」の第2条は、実行に参加しない機動部隊(これには当然だが戦闘機の飛行大隊なども含む)は、動員不可能の状態にしておくか、介入してくるには遠すぎる場所に置いておくべきである、というものだ(サウジアラビアの陸軍の部隊が首都から遥か離れた場所に配置されているのは、まさにそのような理由からだ)。 ところが今回のトルコのクーデター計画者たちは、実行に参加しない(戦車、ヘリ、そして戦闘機)部隊を活動不能にしておくこ

    トルコのクーデターはなぜ失敗したのか | 地政学を英国で学んだ
  • 歴史学者たちの傲慢さに気をつけよう | 地政学を英国で学んだ

    今日の横浜北部は当に真夏でした。ピークですね、これは。 さて、だいぶ以前からぼんやりと考えていたことを書いておきたいと思います。 すでに告知させていただいたように、私は現在、次に出るの訳出作業の最終追い込み段階に入っているのですが、ここ数日間とりくんでいるテーマが、なんと核兵器に関するもの。 「なんか物騒なテーマですねぇ」とお感じになる方もいらっしゃると思いますが、原著者はなんといってもレーガン政権で核戦略をアドバイスしていた人物ですから、この分野が専門領域であり、色々と言いたいことがあったようで色々と書いており、こちらも勉強になってます。 ただしこれを訳していて私が個人的にあらためて感じたのは、やはり「戦略はフィクションである」ということです。 というのも、グレイ自身はソ連に対抗するためにアメリカの核戦略をアドバイスしていたわけですが、なにせ核兵器というのは、歴史アメリカが日に対

    歴史学者たちの傲慢さに気をつけよう | 地政学を英国で学んだ
    nagaichi
    nagaichi 2015/07/28
    一理あるんだけど、「状況の違う時代の歴史の教訓など」を汲み取るのも歴史学者でしてね。あえていうけど、歴史学者は「上から目線」を捨てるべきではないと思いますよ。対象の時代に没入するのが本分ではないので。
  • イスラエルはなぜガザのトンネルを必死に潰すのか | 地政学を英国で学んだ

    今日の横浜北部は朝から曇りでありまして、暑さは一段落ですが相変わらず湿気で汗が出ます。台風は来ないんですかね? さて、今夜の生放送(見逃した方もタイムシフトで見れます)の参考のために、とても興味深い記事の要約を。 内容は軍事トンネルの歴史を振り返りながら、なぜイスラエルがガザのトンネルを必死で潰そうとしていたのかを探るものです。 スコットランドの大学の歴史の先生による記事ですが、目の付け所が面白いですね。 === 眼下の敵:なぜハマスのトンネルはそれほどまでイスラエルを恐怖を与えているのか byジェラード・ディグルート ●ルイス・カレロ・ブランコ提督は予測可能性の典型的な例であり、この予測可能性が彼を殺した。カレロ・ブランコ氏はスペインの首相であり、フランシスコ・フランコに後継者として指名されていた。彼はマドリッドにある教会で毎日同じ時間に行われるミサに参加していた。 ●1973年にETA

    イスラエルはなぜガザのトンネルを必死に潰すのか | 地政学を英国で学んだ
    nagaichi
    nagaichi 2014/08/10
    WW1の塹壕戦は正規戦の一環だけど、ヴェトナムやハマスのトンネルは遊撃戦の戦術と、非対称性は見えてる。圧倒的に殺してる側としては、「恐怖」の語でゲリラ側をテロと紐付けてくれるこういう議論は有難いだろうね。
  • ウクライナ危機なのにロシア専門家が減っているアメリカ | 地政学を英国で学んだ

    今日の横浜北部は朝から快晴です。相変わらず気温は低くて寒さがこたえますが・・・ さて、相変わらずウクライナ情勢についての報道が続いておりますが、そのウクライナ情勢を研究する人材についての興味深い記事がありましたので、いつものように要約を。 === アメリカの対外政策におけるロシア専門家の凋落 By ジェイソン・ホロウィッツ ●ジョージタウン大学のロシア学部長であるアンジェラ・ステント女史は、最近電話の応対に忙しい。 ●ステント女史をはじめとするロシア専門家たちの電話は、ウクライナ危機の勃発から鳴りっぱなしだ。「なんか同窓会みたいですよ。みんな復活してきたわけですから」 ●アメリカロシア専門家たちは、プーチン大統領がクリミアの支配を進めるにつれて再びメディアの脚光を浴び始めている。ところが同時に、これはアメリカの学者や実務家たちのロシアについての捉え方、そしてその捉え方を考える彼らの、質と

    ウクライナ危機なのにロシア専門家が減っているアメリカ | 地政学を英国で学んだ
    nagaichi
    nagaichi 2014/03/09
    そういう話の流れでは、ソ連が崩壊したのが悪いってことにw。
  • ウクライナ情勢を注視する中国 | 地政学を英国で学んだ

    今日の横浜北部はなんとか晴れましたが、なんだか寒かったですね。 日は丸の内で某局の方々を会しながら戦略について色々とお話をさせていただきました。むしろこちらのほうが勉強させていただいた感じでした。 さて、緊迫しているウクライナ情勢ですが、あまりメディアには出てこない「中国政府側の受け取り方」について論じたものがありましたので、いつものように要約です。 === 中国ウクライナの政情不安を、自国の安定を推進するための議論として使用 BY アダム・ミンター ●中国の国営メディアは、去年の12月からウクライナの政変を、躊躇なく事細かに報じている。 ●これは明らかに共産党政府の意向を反映したものであり、「世界中の政情不安は中国国内の急速な改革を求める人々にたいする教訓になる」という意味で積極的に報じさせているようなのだ。 ●この視点は先週の(人民日報の傘下にある)環球時報の社説でも見て取ること

    ウクライナ情勢を注視する中国 | 地政学を英国で学んだ
    nagaichi
    nagaichi 2014/03/04
    環球時報の社説ってこれかな。 http://mil.huanqiu.com/paper/2014-03/4869693.html なんか違うような気もす。
  • 英・仏・蘭がカリブ諸国から奴隷制について謝罪と賠償を要求される | 地政学を英国で学んだ

    今日の横浜北部は朝から曇りでしたが、雨はまったく降りませんでした。けっこう過ごしやすい一日でしたね。 さて、昨日Twitterで紹介した、奴隷制への旧宗主国側への謝罪・賠償金請求に関する最近の動きの話題を。 ここで勘違いしてはいけないんですが、イギリスは賠償金は払っているのは事実。しかしそれは制度を廃止したために損をした奴隷のオーナーたちに対して支払われたもの。 イギリスもフランスもオランダも、賠償・謝罪はしないわけで。 === カリブ諸国は奴隷制の被害について賠償金を計算中 By スティーブン・キャッスル ●ウイリアム・ヘイグ英外相は2008年に出版した自伝の中で奴隷解放のために戦ったある人物に触れつつ、人間を取引する行為というのは擁護しようのない野蛮行為であり、「徹頭徹尾、カネ目当ての残虐で非人道的なものである」と述べている。 ●その奴隷経済を支えたカリブの14ヶ国は、ヘイグ氏にたいし

    英・仏・蘭がカリブ諸国から奴隷制について謝罪と賠償を要求される | 地政学を英国で学んだ
  • ウォルトによるシリア介入反対論 | 地政学を英国で学んだ

    今日の横浜北部は久しぶりに猛烈な暑さでした。真夏の復活。 さて、久々に拙訳「米国世界戦略の核心」の原著者であるウォルトが、アメリカのシリア介入について反対の議論をリアリストの立場から展開しておりましたので、その紹介を。 === それでもアメリカのシリア介入は愚かな選択肢だ ●たとえ証明されたとしても、シリア政府による化学兵器の使用は、アメリカの軍事介入への有利な条件とはならない。 ●これと反対の考えでは、アサド政権の軍が使ったかもしれない兵器に不当な重みを加えることになり、アメリカの介入がまだ賢明ではない多くの証拠を無視することになる。 ●もちろんアサド政権の化学兵器の使用は良いわけがないのだが、それでもこの場合になぜそこまで「兵器の選択」がアメリカの国益の計算を変化させるのかはそれほど明白ではないのだ。 ●アサド政権の残虐さについては数十年間にわたって明らかだったわけであり、その軍隊はす

    ウォルトによるシリア介入反対論 | 地政学を英国で学んだ
  • 北朝鮮をつぶして朝鮮半島を統一せよ | 地政学を英国で学んだ

    さて、東アジアの地政学的な状況についての中国側からの視点による興味深い論説記事を。 著者は中国共産党中央党校の発行する「学習時報」の副編集長です。 === 中国北朝鮮を見捨てよ By デン・ユウェン ●北朝鮮の三回目の核実験は、中国にとって金王朝との長年にわたる同盟関係を考え直すいいチャンスだ。 ●いくつかの理由から、私は北京政府が平壌政府を諦めて、朝鮮半島の統一を進めるように圧力をかけるべきだと考える。 ●その理由の第一:イデオロギーを基盤にした国同士の関係というのは危険だからだ。もしわれわれがイデオロギーだけで同盟関係を選んでいたら、今日の中国が西側諸国ともっている関係というのは存在しなかったはずだ。中朝両国はたしかに同じ「社会主義国家」であるが、その間の違いは西側諸国と中国のそれよりも大きい。 ●第二の理由:中国の戦略的安全保障における、地政学的な「同盟国」としての北朝鮮の価値とい

    北朝鮮をつぶして朝鮮半島を統一せよ | 地政学を英国で学んだ
    nagaichi
    nagaichi 2013/03/10
    まあこれ中国のわりと上のほうから出たアドバルーンですから。実際の中国の政策となるかは、当たるも八卦、当たらぬも八卦。むしろこれ踏まえて休戦協定破棄とか言い出した三代目のほうがいよいよなのかも。
  • ロボットはあなたを失業させる?! | 地政学を英国で学んだ

    今日の東京駅付近はよく晴れました。相変わらず寒いですが、以前と比べて日差しは強くなってきております。 さて、ブログでも何度も触れてきている「テクノロジーと人間社会」というテーマに沿った、なかなか興味深い記事がありましたのでその要約を。 この内容は、日米欧の比較文化論的な要素もありますね。 === ロボットにたいする怒り(再び) byキャサリン・ランペル ●「ロボットがやってくるぞ!」この言葉はあなたの仕事人生、そしておそらくあなたの子犬にも当てはまるものかもしれない。 ●ロボットは再びアメリカ国民の想像力を刺激する存在となったのであり、仕事を奪われる恐怖や、さらには人間の存在そのものを奪ってしまうような恐怖をかき立てている。 ●先日放映されたCBSのドキュメンタリー番組(60ミニッツ)は、ここ最近雑誌や新聞でも議論されているロボットによる労働者の追放を、最も強烈に報じたもののうちの一つ

    ロボットはあなたを失業させる?! | 地政学を英国で学んだ
    nagaichi
    nagaichi 2013/02/10
    ネオラッダイトの誤り。社会経済&技術の進歩にともなって、新しい産業分野も生まれるし、労働時間を減らしてワークシェアする発想も生まれてよい。未来を現在の単純な延長と観念するから、不安の袋小路にはまる。
  • 地政学を英国で学んだ : 多文化主義はどのように失敗したのか

    ↑新刊:胎動する地政学↑ イギリスでの留学生活を実況生中継。久しぶりに意見記事の要約です。 ==== 多文化主義はどのように失敗したのか by ケナン・マリク ●今年の7月7日でロンドンでの52人が死んだ連続テロ事件から六年がすぎた。 ●アメリカの9・11事件とロンドンでの7・7事件は基的に同じインパクトを両国の国民に与えたが、ひとつだけ違うのは、7・7事件のほうがイギリスの市民権を持つ人間たちによる犯行だったということだ。 ●イギリス当局側は、この「自国民の犯行」に頭を悩ませており、以前は過激なイスラム僧侶やモスクの影響を指摘していたが、最近は政府の多文化主義政策の失敗を指摘する分析が多くなっている。 ●ヨーロッパでは多文化主義の問題に関して政府要人からも批判的な声が上がり始めており、スウェーデンやオランダでも反移民政策を訴える政党が議席を伸ばしている。 ●英首相のキャ

  • ナイ先生の「中国の世紀はまだ来ない」論 | 地政学を英国で学んだ

    今日の甲州は朝から雨が降っておりましたが、昼から晴れたり雨が降ったりの忙しい天候になっております。 さて、ジョセフ・ナイの中国についての議論を。 ================== China’s century is not yet upon us By Joseph Nye Published: May 18 2010 23:03 | Last updated: May 18 2010 23:03 ●中国の現在のパワーの評判は、この国の将来の予測のおかげで得しているところがある。 ●若い中国人の中にはこれらの予測を使って今のうちになるべく多くのパワーを獲得しようとしており、アメリカ人の中には百年前のドイツとイギリスのような紛争に備えるべきだという人もいる。 ●しかしそのような予測には懐疑的になる必要がある。たとえばドイツは1900年頃までにイギリスの工業力を抜き、カイザーは他の大国と

    ナイ先生の「中国の世紀はまだ来ない」論 | 地政学を英国で学んだ
  • 地政学を英国で学ぶ : 「神」の概念の違い

    ↑リアリズムと地政学↑ イギリスでの留学生活を実況生中継。今日のイギリス南部は久しぶりに朝から快晴でして、しかもこれほど雲がなくすっきり晴れているのは久しぶりです。気温も25度くらいまで上がり、久しぶりに夏を感じました。 そういえばちょっと前にアメリカ南北戦争歴史家のジェームス・マクファーソンが何かの賞をとったというニュースを聞きました。 この人は南北戦争にかけては右にでるものがいないほどの、いわば冷戦でいうところのジョン・ルイス・ギャディスみたいな立場の人ですが、私も図書館で彼のをちょっと読んだことがあるので、何か感慨深いものがありました。 昨日の夜はうちの町で行われている野外コンサートの一日目だったのですが、夜遅くまでコンサートの音が聞こえてきました。かなり遠いところでやっているはずなんですが、コンサートのノイズというは届くんですよね(苦笑 さて、こっちに来てから常に気なっている「

  • 1