ISSN 1346-9029 研究レポート No.400 February 2013 電子行政における外字問題の解決に向けて -人間とコンピュータの関係から外字問題を考える- 主席研究員 榎並 利博 要旨 電子政府の推進において、外字問題は長年の懸案事項であったが、2010 年度に実施され た経済産業省の文字情報基盤構築プロジェクトおよび 2011 年度の総務省の外字の実態調査 によって、その実態が明らかとなり、解決の糸口が見え始めたといえる。 しかし、解決の方向性として次のような問題がある。 • 文字情報基盤(住基ネット統一文字と戸籍統一文字)を拠りどころに外字を整理し UTF-16 と IVS/IVD で対応しても、市町村に残存するそれ以外の外字(約 37,000 字)に 対応できない。 • 外字の存在は、日本社会全体で 30 億円くらいの経済損失をもたらしており、健全な情 報化社会の