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ブックマーク / huyukiitoichi.hatenadiary.jp (49)

  • 人類の英知がこの一冊に詰まった文明速攻再始動マニュアル──『ゼロからつくる科学文明 タイムトラベラーのためのサバイバルガイド』 - 基本読書

    ゼロからつくる科学文明 タイムトラベラーのためのサバイバルガイド 作者:ライアン ノース発売日: 2020/09/17メディア: Kindle版この『ゼロから作る科学文明』は、もしもあなたがタイムトラベラーではるかな未来から過去の世界に飛んでしまい、さらに戻る手段がなくなったとしたらどうやって文明を再興するのか──について書かれた一冊である。 実はこれと同じ発想のが5年前に邦でも翻訳で刊行されている。それは『この世界が消えたあとの 科学文明のつくりかた』というで、最初書(ゼロから〜の方)の書名と内容をみたとき、あまりにも『この世界が〜』とかぶっていそうだったんで、「色んな意味で大丈夫なのかな?」とビクビクしながら読み始めたんだけど、きっちりこの世界が〜の著者ルイス・ダートネルからの推薦コメントも存在しているし、何よりの最初の前提の置き方がこの二冊では異なっているので、書かれている

    人類の英知がこの一冊に詰まった文明速攻再始動マニュアル──『ゼロからつくる科学文明 タイムトラベラーのためのサバイバルガイド』 - 基本読書
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    naggg 2020/09/20
  • 予知能力を持った一人の女性の人生を2043年まで描きあげた『クラウド・アトラス』著者による幻想文学──『ボーン・クロックス』 - 基本読書

    ボーン・クロックス 作者:デイヴィッド ミッチェル発売日: 2020/08/20メディア: Kindle版この『ボーン・クロックス』は、19世紀から第二次世界大戦前、1970年代に現代ロンドンと幅広い年代&場所&職業の人間を通して一枚の複雑な絵を描きあげた『クラウド・アトラス』で知られるデイヴィッド・ミッチェルの6作目の小説である。これまでの作品と同じく、複数の時代や特殊能力を持つ人間を語り手に据えながら、パズルが組み上がっていくように大きな世界を築き上げてみせる、壮大な幻想文学だ。 最初の舞台になるのは1984年、イギリスのケント州で暮らす当時15歳のホリー・サイクスだ。親に年上の彼氏との交際に反対されたことから思春期らしい反抗性で家出を決意。その直後信じていた恋人に浮気が発覚して裏切られ、親を少し懲らしめてやるためにも、頼れる人がいない中数日間なんとか一人で生きていこうと四苦八苦するの

    予知能力を持った一人の女性の人生を2043年まで描きあげた『クラウド・アトラス』著者による幻想文学──『ボーン・クロックス』 - 基本読書
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    naggg 2020/09/06
  • なぜ、無意味な仕事ばかり増えているのか?──『ブルシット・ジョブ──クソどうでもいい仕事の理論』 - 基本読書

    ブルシット・ジョブ――クソどうでもいい仕事の理論 作者:デヴィッド・グレーバー発売日: 2020/07/30メディア: 単行この『ブルシット・ジョブ』は、文化人類学者であるデヴィッド・グレーバーによる「クソどうでもいい仕事」についての理論である。「クソどうでもいい仕事」とはなにかといえば、文字通りとしかいいようがないのだけれども、「その仕事に従事している人がいなくなっても誰も何も困らないような無意味な仕事」のことである。 原書で刊行された時から日でも大変に話題になっていた一冊で、楽しみに読み始めたのだけど、これがとにかくおもしろい! 確かに世の中にはブルシット・ジョブとしか言いようがないくだらない仕事が溢れているように見える。それがどれほどありふれているのか、またどのようなタイプのブルシット・ジョブが存在するのか。また、仮にこれが近年さらに増大を続けているとしたら、それはなぜなのか。そ

    なぜ、無意味な仕事ばかり増えているのか?──『ブルシット・ジョブ──クソどうでもいい仕事の理論』 - 基本読書
  • 人生を確率を通してみる、今年ベスト級の科学ノンフィクション!──『もうダメかも──死ぬ確率の統計学』 - 基本読書

    もうダメかも 作者:マイケル・ブラストランド,デイヴィッド・シュピーゲルハルター発売日: 2020/04/13メディア: 単行我々はウルトラマンに守られているわけではないのだから、死ぬときがきたら死ぬしかない。その事実は多くの人が認識しているだろう。が、実際に自分が人生の各フェイズでどれぐらい死ぬ確率があるのか、多くの人はそこまで認識してはいないのではないだろうか。10代、20代なら自分が死ぬことなど意識しないだろうし、30代でもそう大きくは違わないだろう。だが、人は何歳であろうともポカっと死ぬものだ。 というわけでこの『もうダメかも──死ぬ確率の統計学』は、ノームと名付けられてこの世に生を受けた一人の男性の成長を歩調をあわせて、人生の各フェイズでどのような死亡リスクがあるのかを細かく統計でみていこう、というである。 たとえば、交通事故、出産時、タバコを一吸った時、放射線を浴びた時、

    人生を確率を通してみる、今年ベスト級の科学ノンフィクション!──『もうダメかも──死ぬ確率の統計学』 - 基本読書
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    naggg 2020/04/18
  • 世界に対する認識そのものが問われる、SF密室ミステリィ──『世界樹の棺』 - 基本読書

    世界樹の棺 (星海社FICTIONS) 作者:筒城 灯士郎,淵゛出版社/メーカー: 講談社発売日: 2019/11/17メディア: 単行(ソフトカバー)この『世界樹の館』は、『ビアンカ・オーバーステップ』という作品で衝撃のデビューを飾った筒城灯士郎の最新作である。ビアンカの何が衝撃のデビューだったのかというと、もともと筒井康隆がはじめてライトノベルを書いたという触れ込みの『ビアンカ・オーバースタディ』という作品があった。筒城灯士郎はその続篇を勝手に書いて新人賞に応募してきて、権利面などの困難さはあるものの、それをはねのけるだけのパワーを持った作品であったためにデビューに至ったという経緯があるのである。 huyukiitoichi.hatenadiary.jp で、実際『ビアンカ〜』って、コメディからシリアスまで縦横無尽にこなし、メタ・パラフィクションであり、能力バトルであり異世界物であり

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  • 最先端物理理論の提唱者が語る、時間の実態──『時間は存在しない』 - 基本読書

    時間は存在しない 作者: カルロ・ロヴェッリ,冨永星出版社/メーカー: NHK出版発売日: 2019/08/29メディア: 単行(ソフトカバー)この商品を含むブログを見る時間は存在しない、といきなり言われても、いやそうは言ったってこうやって呼吸をしている間にもカチッカチッカチッと時計の針は動いているんだから──とつい否定したくなるが、これを言っているのは、一般相対性理論と量子力学を統合する、量子重力理論の専門家である、職のちゃんとした(念押し)理論物理学者なのである。 名をカルロ・ロヴェッリ。彼が提唱者の一人である「ループ量子重力理論」の解説をした『すごい物理学講義』は日でもよく売れているようだが、書はそのループ量子重力理論から必然的に導き出せる帰結から、「時間は存在しない」ということをわかりやすく語る、時間についての一冊である。マハーバーラタやブッタ、シェイクスピア、『オイディプ

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  • 絶望的な負け戦をどう戦うか──『NOKIA 復活の軌跡』 - 基本読書

    NOKIA 復活の軌跡 作者: リストシラスマ,田中道昭,渡部典子出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2019/07/04メディア: 単行(ソフトカバー)この商品を含むブログを見るノキア、復活の軌跡というけれど僕の中でノキアが復活したというイメージはまったくなかった。どちらかといえば、2011年まで世界最大の携帯電話端末メーカーだったのに、まったくスマートフォン時代についていけずに失墜し、その後は携帯電話事業をマイクロソフトに売り渡し、その後どうなったのか完全に意識の外にいって消えていた存在だけれど、今は残された通信技術の会社として、フランスの通信機器大手とも合併をし、と世界の通信事業者の中でも巨大な位置を占めているんだなあ。 書は2008年にノキアの取締役に就任し、最も苦しい時期のノキアの舵取りを任されてきたリスト・シラスマによるビジネス体験記になる。復活の軌跡とはいうが、現代はT

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    naggg 2019/07/14
  • 中国だけで2100万部、話題性と本物のおもしろさを兼ね揃えたバケモノ級の中国SF──『三体』 - 基本読書

    三体 (ハヤカワ文庫SF) 作者:劉 慈欣早川書房Amazon『三体』とは! 中国の作家劉慈欣によって書かれたSF三部作の第一部目にして、中国国内だけで三部作累計2100万部を刊行し、さらに日でも人気のケン・リュウによる翻訳によってアメリカ歴史あるヒューゴー賞を受賞した傑作である。ヒューゴー賞受賞の何が凄いかと言うと、翻訳書としてははじめてのの受賞になるのだ。 それぐらい作品の内容が圧倒していたともいえる。で、あまりSFとは縁のなさそうなオバマやザッカーバーグも絶賛していたりとか、アニメ化が決定したりとか話題は尽きないんだけれども、とにもかくにもこれだけは覚えて帰ってもらいたいのは、この『三体』は、話題先行の内容はまあおもしろいね、いうほどじゃないけど的な軟弱な態度で読み終わる作品ではなく、その肥大化しきっているともいえる話題性に劣らない、圧倒的なおもしろさのある、純粋におもしろいSF

    中国だけで2100万部、話題性と本物のおもしろさを兼ね揃えたバケモノ級の中国SF──『三体』 - 基本読書
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    naggg 2019/07/08
  • 21世紀の戦争はなぜ、どのように変わったのか──『140字の戦争 SNSが戦場を変えた』 - 基本読書

    140字の戦争 SNSが戦場を変えた 作者: デイヴィッドパトリカラコス出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2019/05/31メディア: Kindle版この商品を含むブログを見るSNS上では常に人々が罵り合っておりまるで戦争状態のようだが、そういう意味での戦場ではなく、実際にウクライナやイスラエルvsハマスといった実在する戦場をいかにSNSが変えたかというレポートである。『これは戦争についてのである。と同時に物語──戦争のナラティブとナラティブの戦争──についてのでもある。』 著者は中東をメインに取材するジャーナリストだが、イスラエルとガザの情勢などを調査・報道するうちにとある大きな変化に気がついたことが書を書くきっかけになったようだ。それは、戦争が、戦車や大砲を用いる物理的なものと、民間人までをも巻き込みソーシャルメディアを駆使したナラティブなものの2つに分かれているという事態

    21世紀の戦争はなぜ、どのように変わったのか──『140字の戦争 SNSが戦場を変えた』 - 基本読書
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    naggg 2019/06/09