国内屈指の豊富な魚種で知られる相模湾で昨秋以降、極端な不漁が続いている。昨年末の神奈川県・西湘地区の漁獲量は平年の3分の1にも満たない。「ここまでの不漁は近年で経験がない」。多くの漁師もそう口をそろえる。専門家は「黒潮の流れが変化しており、魚の群れが相模湾に入ってこないのではないか」と推測している。(川上朝栄) 「こんなに取れないのはおかしい。定置網が破れているに違いない」 大磯漁港(大磯町)の漁師らは昨年末、ダイバーを呼んで定置網の調査を行った。網は破れていなかったが、「いつまで不漁が続くのか。収入減に直結し、大変な状況だ」と頭を抱える日々が続いている。 同港で水揚げされた鮮魚を扱う水産加工業者も極端な不漁で“開店休業”状態だ。西湘地区で昨年12月に水揚げされた漁獲量は153トンで平年の約3割にとどまる。1月に入っても不漁で前年の6割程度と惨憺(さんたん)たる状況だ。 不漁の要因として研