国旗と国歌をめぐり、あらためて議論を深めることの大切さを訴える人たちがいる。かつて県立高校では「卒業式に国旗と国歌の扱いをどうするか」で、生徒間で熱い議論が交わされていた。一部の教員は、国旗と国歌が卒業式に入り込むことに反発し、県を相手に訴訟を起こした。当時の騒動を経験した元生徒や教員は、「自由に議論できる環境が大切だ」と口をそろえる。 「国旗、国歌に賛否両論が出るのは当然。好き嫌いどっちがいいとは言えないが、十分に議論する環境は奪うべきじゃない」と話すのは、希望ケ丘高校(横浜市旭区)を卒業した会社員佐々木一成さん(30)=横浜市旭区。佐々木さんが高校生だった一九九九年、国旗国歌法が成立。県教委から掲揚、斉唱の指導が強まっていた。 同校は自由な校風で、生徒同士の議論を重視する。このときは「戦後、ドイツは国旗を変えたのに、日本は変えていない」「そもそもなぜ、卒業式で国旗と国歌が必要なのか」と