愛媛県松山市は1日午前0時から子ども医療費助成を拡充し、通院費を含めた中学生までの医療費を無料化した。県内20市町のうち小中学生の通院費助成に手付かずだったのは松山のみで、保護者らからは歓迎の声が上がる。一方、市側は需要増による医療現場や財政への影響を懸念し、適正な受診を呼び掛けている。 「他の自治体に比べて本当に遅れた。待ちに待った」。長年要望を続けた新日本婦人の会松山支部の川西安妃子事務局長はほっとした様子で話した。 小中学生の通院費無料化は、2018年11月の松山市長選で3選した野志克仁市長の公約の目玉だったが、19年度当初予算に盛り込まれなかったため、保護者や一部の市議らから厳しい視線を浴びた。3月定例議会では与党系の議員を含めて質問が相次いだ。 財源を確保する上で、焦点となったのは乳幼児医療費助成事業の県費補助率。中核市である松山市への補助率は4分の1で、県内他市町の2分の1より